MLBのぜいたく税と年金制度|仕組み・ドジャースの負担額・選手の老後

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MLBのぜいたく税(贅沢税)は、球団の年俸の合計が基準額を超えたときに払うお金で、2026年の基準額は2億4,400万ドルです。

ドジャースの2025年分の確定額は1億6,940万ドルで、1年の税額として史上最高になりました。

この記事では、ぜいたく税の仕組み、2026年開幕時点のドジャースの予測額、選手の年金制度、大谷翔平さんの後払いとの関係、2027年の見通しまでを1本で整理します。

「税金を払ってまで、なぜドジャースはお金を使うの?」

その答えをたどると、意外にも選手たちの「老後」の話につながっていました!

目次

MLBの贅沢税(ぜいたく税)の仕組み

2022年・2億3000万ドル・2023年・2億3300万ドル・2024年・2億3700万ドル・2025年・2億4100万ドル・2026年・2億4400万ドル
2022〜2026年の基準額は労使協定で段階的に上昇。出典:MLB Competitive Balance Tax、2026年10月24日確認。

MLB公式の用語解説によると、ぜいたく税の正式な名前は「競争均衡税」で、決められた基準額を超えた球団が、超えた1ドルごとに税を払う仕組みです。

税の計算に使う年俸は、40人枠の選手の契約の年平均額に、選手の福利の費用を足したもので、シーズンの終わりに確定します。

基準額は労使協定で決まっていて、MLB.comの2022年の記事によると、2022年から2026年までは次のとおりです。

年ぜいたく税の基準額
2022年2億3,000万ドル
2023年2億3,300万ドル
2024年2億3,700万ドル
2025年2億4,100万ドル
2026年2億4,400万ドル

税率は、何年続けて基準額を超えたかで上がっていきます。

基準額を超えた年数超えた分にかかる税率
1年目20%
2年連続30%
3年連続以上50%

さらに、基準額を2,000万ドル以上超えると上乗せの税率がかかり、4,000万ドル以上超えると翌年のドラフトで最上位の指名順位が原則10個下がります。

その指名が全体6位以内なら、代わりに2番目の指名が10個下がります。

一度でも基準額を下回れば、税率は1年目の20%に戻ります。

AP通信の2025年12月19日の記事によると、3年続けて超えたドジャースの2025年の税率は、基準額を超えた最初の2,000万ドルに50%、次の2,000万ドルに62%、2億8,100万ドルから3億100万ドルの分に95%、それより上の分に110%でした。

同じ記事は、2022年の労使協定で加わった一番上の段階が、メッツのオーナーの名前から「コーエン税」と呼ばれていると伝えています。

筆者は前職の経済メディアで税制の記事も担当しましたが、超えれば超えるほど税率が110%まで上がる仕組みには、本当に目を疑いました!

あなたも、使えば使うほど割高になる料金プランに、ドキッとしたことはないでしょうか?

ドジャースの贅沢税 2025年確定額と2026年予測

2024年・1億300万ドル・2025年・1億6940万ドル
ドジャースの確定税額は2024年から2025年に増加。両年の過去記録であり2026年の確定額を示すものではありません。出典:AP、2025年12月19日。

ドジャースが払ってきたぜいたく税を、AP通信の記事で並べると次のとおりです。

年ドジャースのぜいたく税メモ
2024年1億300万ドル当時の史上最高
2025年1億6,940万ドル史上最高・5年連続
2026年1億6,370万ドル(開幕時点の見込み)確定額は発表待ち
2003〜2025年の合計5億1,940万ドルヤンキースを抜いて最多

2024年と2025年の額と合計はAP通信の2025年12月の記事、2026年の見込みはAP通信の2026年4月16日の記事によるものです。

ドジャースの2025年の税の計算上の年俸は4億1,730万ドルで、2023年のメッツの3億7,470万ドルを抜く最高額でした。

2026年は開幕時点で4億1,520万ドルと、基準額の2億4,400万ドルを1億7,120万ドル上回って始まりました。

1億6,370万ドルは2026年4月16日付の記事が伝えた開幕時点の予測額です。

シーズン中の契約変更や出来高を反映した最終請求額とは区別して読みます。

2025年に税を払ったのは9球団で、合計は4億260万ドルと過去最高でした。

球団2025年のぜいたく税
ドジャース1億6,940万ドル
メッツ9,160万ドル
ヤンキース6,180万ドル
フィリーズ5,610万ドル
ブルージェイズ1,360万ドル
パドレス700万ドル弱
レッドソックス約150万ドル
アストロズ約150万ドル
レンジャーズ約19万ドル

次は、表の裏にある物語を見てみます。

同じAP通信の記事によると、税を払った9球団のうち、メッツ、アストロズ、レンジャーズの3球団はプレーオフに進めませんでした。

2番目に多い9,160万ドルを払ったメッツが10月を迎えられなかった一方で、最も多く払ったドジャースは2024年と2025年に2年続けて世界一になりました。

お金を使うことと、勝つことは、同じではありません。

2025年のドジャースは、税を払ってでも勝ち切った球団でした!

筆者は、この並びを見たとき、お金の使い方の上手さにため息が出ると同時に、メッツのファンの気持ちを思って少し胸が痛みました。

私たちも、同じ金額を使っても満足できる買い物とそうでない買い物があること、身に覚えがありますよね。

大谷さんの契約の計算は、10年7億ドルと後払いの仕組みで詳しく整理しています。

MLBの年金制度の仕組み(43日と10年)

税の収入・選手の福利・350万ドル・残りを二等分・退職口座・球団向け基金
先に350万ドルを福利に充て、残額を選手の個人退職口座と球団向け基金へ二等分します。出典:AP、2025年12月19日。

MLBの年金制度でまず知っておきたい数字は、43日と10年です。

ESPN系のアンドスケープの2024年3月の記事によると、1980年からは、メジャーの選手登録の日数が43日あれば年金の資格を得られる決まりです。

同じ記事によると、選手の年金などを扱う「選手福利制度」には、2021年の届け出の時点で9,847人が加入し、45億ドルを超える資産がありました。

もう一つの節目が、メジャーの在籍10年です。

MLB.comの2024年10月の記事は、在籍10年に届いたケビン・ピラーさんを年金の大きな節目とともに紹介し、10年に届く選手はメジャーに上がった選手の約7%しかいないと紹介しています。

在籍の1年は、MLB公式の用語解説のとおり、1シーズンに172日の登録で数えます。

43日はサービス・タイム1年を172日とする場合の4分の1です。

アンドスケープの記事は43日ごとに部分的な年金を積み上げる仕組みを説明しています。

43日で資格が生じることと、10年の長期在籍による給付の節目を分けると分かりやすいですね。

ただ、その1日の重さを物語る話もあります。

1980年にブレーブスでデビューしたゲーリー・クーパーさんは、登録42日でマイナーに戻り、その後メジャーに戻れませんでした。

アンドスケープの記事によると、あと1日で年金に届かなかったクーパーさんの例外の申し出は、選手福利制度に認められませんでした。

CNNの2024年4月の記事は、ブレーブスが1968年に、60代だったサチェル・ペイジさんをコーチとして契約し、年金の資格を得られるようにした過去の例も紹介しています。

そして、ぜいたく税は、この「選手の老後」とつながっています。

12月のAP通信の記事によると、労使協定では、税のお金の最初の350万ドルを選手の福利に回し、残りの半分を選手の個人退職口座に回す決まりです。

2025年の税の合計4億260万ドルで計算すると、選手の個人退職口座に回るのは約1億9,955万ドルになります。

残りの半分は、条件を満たした球団に配るコミッショナーの基金に回ります。

ドジャースが払った記録的な税は、メジャーで戦うたくさんの選手たちの老後の備えにもなっていたんです!

筆者は、42日で終わった選手の話を読んだ夜、1日の重さを思って、しばらく眠れませんでした。

あなたにも、あと1日、あと1回が届かなかった悔しさを、今も覚えている経験はありませんか?

大谷翔平の後払いと贅沢税・年金の関係

契約年額・7000万ドル・現在価値・約4600万ドル・差額・約2400万ドル・税率110%・約2640万ドル
年額評価の差の全額に110%を当てた単純計算。実際の税額は球団全体の給与と税率区分で決まります。出典:MLB後払い解説、AP税率説明。2026年10月24日確認。

大谷さんの契約は10年総額7億ドルで、MLB.comの契約の解説によると、毎年の7,000万ドルのうち6,800万ドルを後払いにしています。

ぜいたく税の計算では、契約期間の外に払う後払いを今の価値に割り引いて数えるため、契約全体の今の価値は約4億6,000万ドルになります。

同じ解説によると、ドジャースのぜいたく税の計算に入る大谷さんの年俸は、10年間、年約4,600万ドルです。

後払いがなければ年7,000万ドルで数えるため、その差は年約2,400万ドルです。

差額の全額に110%の税率を当てる単純計算なら、税負担の差は年約2,640万ドルになります。

また、AP通信の2025年12月の記事によると、大谷さんの契約にあるドジャー・スタジアムのスイート席と通訳の分、94万9,244ドルも税の計算に入りました。

後払いの6,800万ドルは、2034年から2043年まで毎年支払われます。

1994年生まれの大谷さんにとって、2034年は40歳になる年です。

40歳以降に受け取る後払いは契約上の報酬です。

選手福利制度の年金とは別に、将来の収入になるお金として考えると整理しやすくなります。

同じMLB.comの解説は、後払いのアイデアが大谷さん自身から出たもので、球団が強いチームを作り続けるための余裕を生むためだったと伝えています。

大谷さんは2018年3月29日にメジャーデビューし、2026年でメジャー9シーズン目を終えました。

10シーズン目に当たるのは2027年ですが、年金に使う在籍期間は実際に算入される登録日数で数えます。

大谷さんの年俸と後払いの全体像は、大谷翔平の年俸の解説で円に直した額と合わせて整理しています。

筆者も毎月の給料日に、少しだけ積み立てに回すのが習慣ですが、7億ドルの大半を自分から「未来」に回した決断のスケールには、ただただ圧倒されました!

あなたも、今のお金と将来のお金の分け方に、迷ったことがあるのではないでしょうか?

MLBの贅沢税と年金 2027年の見通し

2026年5月・交渉開始・2026年7月・球団側の案・2026年12月・協定の期限・2027年・交渉で決まる
2026年5月12日に交渉開始、7月31日に球団側の案を公表。現協定の期限は12月1日で、2027年の制度は交渉次第です。出典:MLB・MLBPA、2026年10月24日確認。

2027年は、ぜいたく税の仕組みそのものが変わるかもしれない年です。

今の労使協定は2022年から2026年までが対象で、選手会の2026年6月の発表によると、12月1日に期限を迎える予定です。

同発表は期限後のロックアウトの可能性にも触れており、交渉がまとまるかが焦点になります。

ロックアウトは、新しい協定がまとまるまで、トレードやフリーエージェントとの契約などを止める措置のことです。

新しい協定の交渉は、MLB.comの労使協定の記事にあるとおり、2026年5月12日に始まりました。

MLB.comの2026年6月30日の解説によると、MLBは年俸総額に上限と下限を設ける仕組みを提案し、在籍2年以上の選手の最低年俸を100万ドルに上げる案も示しています。

一方で選手会は、上限の仕組みには強く反対しています。

2027年以降の制度は新しい協定次第です。

MLBが7月31日に公表した案では、2027年の年俸総額の上限を2億4,530万ドル、下限を1億7,120万ドルとしています。

これは球団側の提案であり、成立したルールとして読む段階ではありません。

ドジャースの2026年分の確定した税額も、今後の発表を待つ形です。

ぜいたく税のお金の行き先も労使協定で決まっているため、交渉の行方は、選手たちの老後にも関わってきます。

筆者は、冬のストーブリーグが止まってしまうかもしれないと思うと、今から少し心配になります。

あなたは、MLBに年俸の上限ができることに、賛成ですか?

ネットでは、こんな声が上がっています!

以下の3つは掲載した報道の傾向を踏まえた代弁です。

「ぜいたく税って罰金だと思ってたけど、福利費を引いた残りの半分は選手の退職口座に回るのか」

「43日で年金の資格って聞くと、メジャーに1日でも長くいたい気持ちが分かって胸が詰まる」

「税を払ってでも勝ち切るドジャースに、大谷さんがいるのが誇らしい」

お金の話の向こうに選手の人生があると知り、筆者も制度を見る目が変わりました。

よくある質問

MLBのぜいたく税は何ドルから払うのですか?

2026年の基準額は2億4,400万ドルで、税の計算上の年俸がこれを超えた球団が払います。

ドジャースの2026年のぜいたく税はいくらですか?

2026年4月16日付AP通信が報じた開幕時点の見込みは1億6,370万ドルです。
これはシーズン終了後の確定額とは別の数値です。

MLBの年金は何日でもらえるのですか?

43日のサービス・タイムで部分的な年金の資格が生じます。
在籍10年は給付面での大きな節目で、資格の発生とは分けて考えます。

ぜいたく税のお金はどこへ行くのですか?

最初の350万ドルが選手の福利に回り、残りの半分が選手の個人退職口座、もう半分が条件を満たす球団に配る基金に回ります。

エリカのひとこと

休みの日の午後、カフェで税率の表を書き写していたら、隣の席の人の会話より自分の電卓の音のほうが大きくなっていて、ちょっと恥ずかしくなりました。

ぜいたく税は「お金持ち球団への罰金」のように見えて、実は選手みんなの老後を支える仕組みでもあると知り、見方がくるりと変わりました。

新しい協定が、選手にもファンにも優しい形でまとまってほしいです!

まとめ

MLBのぜいたく税は、2026年の基準額2億4,400万ドルを超えた球団が払うお金で、超えた年数と額に応じて税率が上がります。

ドジャースの2025年分は史上最高の1億6,940万ドルで、2026年分は開幕時点の見込みで1億6,370万ドルです。

年金の資格が生じる43日と、長期在籍の節目である10年は役割が違い、ぜいたく税の一部は選手の個人退職口座に回ります。

球団が払う税は、グラウンドの外で選手の未来を支えていました。

年俸や成績の数字の読み方は、野球の成績の見方ガイドで整理しています。

仕組みの話を書き終えたあと、一人の投手が積み上げてきた道のりを感じたくて、山本由伸さんの動画を見返しました!

【伝説誕生】山本由伸、ドラフト4位から世界最高峰へ敵地を沈黙させた105球【完投勝利 感動】は、題名のとおりドラフト4位から世界の頂点まで上りつめた歩みに目を向ける回で、43日や10年という数字の重みを知ったあとに見ると、一球ごとの積み重ねがいっそう胸に迫りました。

契約やお金の話の先にある、選手一人ひとりの物語に出会えるチャンネルです!

▶ 大谷一本【日米野球】 https://www.youtube.com/@OHTANI-IPPON/

やさしく解説・税と年金・MLBのお金

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この記事を書いた人

エリカ(ペンネーム)。Tiramisù Box で、大谷翔平さんとMLBの記事の語り手を担当しています。試合日程・ルール・記録の数字を、野球に詳しくない人にも分かる言葉で届けるのが役目です。記事の作り方は「編集方針」のページをご覧ください。最近は、大谷翔平さんの挑戦や人柄を伝えるYouTubeチャンネル大谷一本【日米野球】も楽しんでいます。

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